星恵美子のお散歩ブログ

京都ゆるゆる鴨川散歩とスケッチクラブ

20年ぶりに帰って来た原画

イラストレーターにとって描いた原画は本当に大事なものだ。それが力作であろうが若いときの恥ずかしいなと思うものであってもその時描いたものは2度とは描けないものなのだ。


原画は本来は絵描き(イラストレーター)のもとに返却されるものだが結構昔だと買い取りは戻ってこないものと思っていたり出版社や印刷屋などに放置されそのうちどこかへ行ってしまう事もある。時々ほしいといわれればあげちゃったり、売ってしまったりもする。
でもあげようが売ろうがその描いた絵は描いた人の大事な大事な創作者としての著作権があるのです。出版社は出版の権利だけなのにイラストまで自分のもののようにおもっている会社も昔は多かった。(今はだいたい返ってきますが)


写真のイラストは大西将美先生が20年程前に描かれたものでユーミンの『真夏の夜の夢』のポスターやCDジャケットになった仕事です。すごいです私も見覚えがあります。大西先生はずっと長い間タミヤのプラモデルのボックスアートを手掛けミリタリーイラストレーターとして第一人者の実力を持った尊敬している先生です。


先生のアトリエに訪問した際ドイツ兵や将校ばかりの絵の中(男ばっかり)に唯一女性を描いた超珍しいものだったのです


これはちょっとおもしろいので展覧会のイメージDMに使わせて頂きたいなと思ってお願いしたところ『無いの。あげちゃったから。』というではないですか誰にあげちゃったの?


ユーミンにあげたいというからあげちゃった』「え〜え〜え〜ユーミンですかあ」

ということでかなり難しい原画を探す旅がはじまったのでした。

まずは最初に仕事した会社から20年も前なので先生に思い出してもらいながら電話してもらった
奇跡的に会社はまだ健在聞いてもらったらけんもほろろにそんな昔の事は判らない印刷屋かもしれない言われ早くも座礁してしまった。


諦め始めた頃何という偶然かユーミンの仕事をした事があるデザイナーがユーミンの事務所を紹介してくれた。まさかね〜あるわけないよね〜と思いながら事情を説明する長い長いお手紙を書いた。何度かお電話して事情を判ってもらった頃奇跡が起こった。



『ありましたよ絵」「え〜ほんとですか〜」ということになり20年ぶりに絵とご対面なんか感無量私だけですか。大西先生もう少しで逢えますよ〜20年ぶりの愛しい恋人に。